若草幼稚園
​若草幼稚園は、子どもたちのための幼稚園でありたいと考えています。
園庭はいつでも開放していますので、天気のいい日を選んでお越しください。

​〒790-0814
愛媛県松山市味酒町3丁目5-1
学校法人 若草学園 認定こども園 若草幼稚園
TEL 089-993-8182 FAX 089-993-8183
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生活環境

2/1/2001

 
今日は天気もいいし、西山公園まで遊びに行こうということになりました。西山公園は城山の向かいにある小高い山で、山の上には何やら西洋のお城のようなものが建っています。以前は自然のままの山だったので、時々虫を捕りに行っていた場所なのです。けれども、開発され木々は切り払われて、そこに新しい木が植えられています。全く違う場所になってしまいました。

それでも頂上にはいい風が吹いているし、芝生に寝転ぶと気持ちがいいのでたまに遊びに行くのです。

駐車場にバスを入れ、登り始めると、すぐ隣に幼稚園バスが止まりました。園長先生とは親しくしていただいているA幼稚園でした。子どもたちは揃いの体操服のユニホームでバスから降りてきます。服装が同じだと表情も同じように見えてきます。若草幼稚園では園のユニホームがなくなり、私服で園の生活をしだして、15年近くになるので、わたしは同じ服装をした子どもたちの集団をみるとドキッとしてしまうのです。子どもたちも、そのことが当たり前のように慣れてしまうことがこわいのです。

バスから降りるとすぐ整列が始まりました。わたしはしばらく見ていたのですがあんまりそれが長い時間なので先に登ることにしました。10分以上たってA幼稚園の子どもたちは上がってきました。すると今度は全員が体操ずわりで保育者の諸注意が始まったのです。子どもたちはいつになったら遊べるんだろうとひとごとながら心配になったことでした。

そういえば、昨年の冬にも同じような姿を見たことがあります。スケートに行ったときのことです。私たちはスケートというより氷遊びといった感覚でいましたので、子どもたちは滑ったり、転んだり氷を触ったり、こっそり氷を割ったりしています。キャーキャーと笑い声がたえません。

そこへまたそろいのユニホーム姿のB幼稚園がやってきました。突然、子どもたちは壁際のてすりに一列にならび、「いっちにい、いっちにい。」号令が始まりました。彼らは号令に合わせてスケート靴の足を前後させているのです。20分も続いたでしょうか。今度は次の段階の整列がかかり号令が始まったのです。それが帰るまで続きました。若草幼稚園の子どもたちはそれが何をしているのか理解ができなかったようです。「おまえら、何をしよるんぞ。」と代表の誰かが聞きにいっていました。帰るときには「まだ、すべれんのか。」と捨てぜりふを残してスケート場をあとにしたことでした。若草幼稚園の子どもたちは何時間か氷と戯れているうちにほとんどの子どもがスイースイーと滑れるようになっていたのです。

B幼稚園の子どもたちは、スケートが楽しいと感じて帰ったのかなあといらぬ心配をしてしまうことでした。

これは極端な場面なんだとしても、これに近いことは、いたるところでみられます。子どもたちの意思を無視した形での対応なのです。

子どもたちはそれでも明るい顔をして毎日の生活をしています。

自分のおかれた環境に順応して行く能力を持っているし、そしてその環境にあわせていくしかないということを本人は意識していないでしょうが、理解できているように思います。

わたしたち大人と子どもたちの間には体力的にも知識的にも人生の経験においても、大きな差があるのです。それはどちらが良いとか良くないとか、いうことではないのですが、歴然とした差があるのです。そのことをわたしたち大人がいつも意識していないと、どうしても威圧的になってしまい、そのことで子どもたちは自分の意思を引っ込めてしまう結果になってしまうのです。そのことに気がついていない大人が何と多いことでしょう。特に幼稚園・保育園などの幼児教育に関わっている人たち、それを職業にしている人たちは大いに反省をお願いします。

子どもたちは自分の意思で生活する権利を持っています。そして大人はそれそしっかり守っていく義務があるのです。子どもたちにとって住みやすい環境を作ってあげたいものです。

子どもたちの未来

2/1/2001

 
「子どもたちの未来」。改めて子どもたちとつけなくても未来という言葉は、私たち先の見えた年よりのためのものではなく、今から人生を始める子どもたちにこそ最もふさわしい言葉だと思います。その未来が、彼らを取り巻く自然環境・教育環境・人間環境等を思うと本当に明るいのか、子どもたちに「君たちの未来は楽しく明るいよ」と心から言ってあげることができない自分がここにいることがつらいのです。

ちょうど、一年前になります。
2月27日、京都で絵本作家の田島征三さんにお会いしました。“ちからたろう”が小学校の教科書に載っていて“やぎのしずか”などたくさんの絵本を出版している、あの田島征三さんと三条京阪で待ち合わせをし、喫茶店でコーヒーを奢ってもらって(自慢!!)二人で3時間近くお話をしました。

殆どの時間がお互いの子供時代の話になりました。昔は良かったなどとは口がさけても言いたくない二人なのですが、楽しかった4,50年前の自然の中での遊びを思い、今の子供たちを取り巻く自然環境と比べて見るとどんどん心が沈んでいきます。日の出村のゴミ処理場問題で自然環境の破壊と真剣に向かい合っている田島さんにはより大きな心配があることでしょう。太陽の光に当たることさえ気をつけなければならない“今”なのですから。

彼はよく幼児期の川遊びの話をします。映画“絵の中の僕の村”でもそんな場面が登場しました。川の中でドジョウやドンコを追い込んで素手で捕まえる話です。素手で小魚を捕まえたときに手の中で動くグリグリ感が忘れられないと言います。それは生命そのものだったそうです。いまでも彼の描く絵の原点になっているとまで言いきります。人間の原体験と言うのはそれはど大切なものなのでしょう。一生の価値観や感性にまで影響を与えてしまうもののようです。

私たちは子どもたちのそんな原体験を見ることのできる素晴らしい現場に立ち会わせてもらっています。そんな職業は他にはありません。楽しい原体験こそが生きていく力になります。子どもたちに感動的な体験をしてもらえる環境を整えていくことが私たちの大切な役目なのでしょう。そしてそのことが子どもたちを安心させ安定させ自立へと向かわせ、明るい未来が見えてきます。

けれども子どもたちを取り巻く現実はそんなに甘くはないのです。皆で力を合わせて子どもたちの未来を守りましょう。

    流水 龍也

    若草幼稚園 理事長
    (前園長)

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