若草幼稚園
​若草幼稚園は、子どもたちのための幼稚園でありたいと考えています。
園庭はいつでも開放していますので、天気のいい日を選んでお越しください。

​〒790-0814
愛媛県松山市味酒町3丁目5-1
学校法人 若草学園 認定こども園 若草幼稚園
TEL 089-993-8182 FAX 089-993-8183
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自然とともに

9/1/2000

 
先日の日曜日、仲間と一緒に友達と久万の山小屋へ遊びにいってきました。夏には幼稚園の年長組の子どもたちと泊りに行く丸太の山小屋が久万の山中にあるのです。この小屋は大勢の友達に手伝ってもらいながら、あしかけ6年ぐらいかかって完成したものです。山間の小高い丘にあって回りは栗の林で、大変ロケーションのいいところです。
栗林の下には小さい川が流れていて、いつもかすかに水の流れる音が聞こえています。

耳をすますと、鳥の声や風の音やそれからじつにさまざまな音が当たり前のように聞こえてきます。それから自然の匂いを感じます。
樹の匂い、土の匂い、草の匂い…毎日の生活の中では感じることのできない匂いが心地よく匂ってきます。

けれどもそんなことよりももっと比べようがないほど私が好きなのは、時間がゆっくりと流れるということなのです。毎日を忙しがって生きていくことでストレスをためながら時間を過ごしている私たちの心をボーッとなにもないまま過ぎていくゆったりとした時間が癒してくれるのを実感として感じることができます。そんな力を感じるために時々は自然に囲まれてみるのもいいもので、ぜひ、ご家族で経験してほしいと思います。

バンド仲間とその家族プラス友人数人の2歳から48歳までの総勢25人という大所帯で山に入りました。バーベキューをしたり、なべをつくったり、食べることがほとんどを占める集まりでした。男たちの間では、奥さんたちには何もしてもらわないようにしようという申し合わせができていました。日頃の罪滅ぼしのつもりです。

とりあえず、それぞれが自分の得意のこと(火おこし・山菜採り・鍋等)で、なんとなく役割分担が決まりました。得意のない人はおしゃべりが始まります。子どもたちはそれぞれが思い思いの場所で思い思いに遊び始めました。タイムのスケジュールは全く決めていないので急ぐとかあわてるとかそんな感じは全くありません。食事の準備ができたものを、おなかのすいた人から食べていきます。

炭おこし係りの菊池さんの炭が最初におこりましたから焼き肉バーベキューが始まりました。その匂いで子どもたちが一番に集まってきましたので、子どもたちのおなかを最初に膨らまして落ち着かせようと大人は考えました。落ち着いて子どもたちは子どもたちで遊んでもらって、大人もだらだらと自分のしたいことで過ごしたかったのです。そのころにはおしゃべりが始まっていました。
時間を気にせずにおしゃべりができるのは、その内容がどうでもいいような世間話であっても人生に大切な話であっても快感です。そしてまわりは美しい緑であり、清々しい空気なのです。大いに癒されます。自然の力は大いなるものがあるのです。

そのうち、林さんの係りの鍋もできあがりました。この鍋には高浜に住んでいる三好さんが漁師さんから分けてもらった“ほご”が20匹も入っていて、みそ味と醤油味と2種類あります。これは絶品でした。
箭野さんが隅のほうで一人で何かこっそりつくっています。聞いてみると鳥のワイン煮で、もうすでに昨日練習は済ませていたようです。とにかくそのころから大人も食事が始まりました。バーベキューには松浦さん得意のじゃがバター焼きがアルミホイールに包まれて炭のなかにほうり込まれました。
とにかく、全員が食べるは食べるは普段のおなかいっぱいの3割増しくらいは食べたでしょう。

その後、句会をしたり、ギターを弾いて歌を歌う人がいたり、にわか雨がふったり、いろんなことがなんとなく始まったり終わったりしながら、(英美ちゃんと子どもたちのとってきた山菜のテンプラが時間の関係からできなかったのが残念でしたが)真っ暗になるまでいて「また来ようね、また来ようね」といいながら山を下りました。

本当に人間は自然に囲まれているのが、絶対条件なのだといつも思っています。人間は地球の一部分なのだし、お互いが癒し合う関係であるべきだと思うのですが、今は一方的に人間が自然を破壊し続けているというのが現実でしょう。自然の優しさを感じることができたら、そんなことはできなくなるのだろうと思います。

子どもたちと一緒に積極的自然に入りましょう。自然に優しく包んでもらいましょう。松山にはまだまだそんな自然がすぐ側にあるのです。土の声、風の音、木々のささやきを感じてみましょう。大人は感じる事ができなくなっているかもしれませんが、子どもたちは感じることができます。 そして、癒された優しい心で競争するのでなくお互い思いやり合う生活を始めましょう。人間は本来優しく生まれてきていると思います。
1995年愛媛雑誌掲載 ざっくばらんより

運動会

9/1/2000

 
運動会
10月は運動会の季節です。気候もいいし、子どもたちにとって一番楽しいはずの時期です。
ところが、2学期が始まるとすぐに、運動会の練習が始まる幼稚園が多くあります。幼稚園のそばを通ると、ピーッという笛の音が聞こえたり、保育者の大きなヒステリックな声が園庭に響き渡りだします。

また、それに比べて、いつもと同じような落ち着いた幼稚園生活を続けている園も少数ですがあります。幼稚園が運動会をどうとらえるかで、運動会の前後の子どもたちの幼稚園での生活は大きくかわります。
運動会の時期だけのことでなく、子どもたちが1年中遊ぶためにあるはずの園庭もたった1日の運動会をするための運動場になってしまっています。道具や樹はすべて隅のほうで小さくなっていますので、園庭には陰がありません。夏の暑い時期に子どもたちはどうやって遊ぶんだろうと要らぬ心配をしてしまいます。

そして、その練習は10月の運動会まで延々と1ヶ月以上続くのです。その間には子どもの意思は認められません。大人(保育者)が決めた計画にただ黙々と従うのみなのです。「今日はかけっこがしたい」とか、「お遊戯がしたい」とか関係ないことなんです。本当は、そんな子どもの意思を認めていくことの積み重ねこそが、子どもの自立につながっていくんですよ。

誤解をされないうちに書いておきますが、若草幼稚園でも運動会はあります。運動会の当日も含めた、その前後の日々が子どもたちにとって楽しい日々であるかどうかだけを考えて計画をします。大人に見せるとか、見てもらうとかいう感覚はありません。大人は子どもたちが楽しい1日になるように、一緒に参加していただこうと思っています。

当園は、樹がたくさんの園庭なので(園庭の真ん中にも植わっています)広い場所があまりなく、ゴチャゴチャしているのですが、子どもたちが毎日を過ごしている場所で運動会をしたくて、ここで出来る事をする様にしています。練習はほとんどしません。お遊戯は1回か2回してみますが…そのかわり毎年、運動会の1週間くらい前に“パン食い競争”を、年少から年長まで全員で楽しみます。パンは近所のパン屋さんで特別に小さめのをつくっていただきます。

いつも子どもたちの盛り上がりはすごいものがあります。けれども実はこの種目は運動会には無いのです。もうすぐ運動会があるよということを感じてほしいだけなのです。そして、それは期待に満ちた楽しみであってほしいのです。そのころには子どもたちは自由な遊びのなかで、リレーなど運動会の遊びが多くなってきます。

その遊びは運動会が終わってからのほうが、遊びとして広がっていきます。

15年くらい前までは、若草幼稚園も暑い園庭で毎日厳しい練習を繰り返していました。鼓笛隊もありました。行進の練習まであるんですよ。今考えると子どもたちに無理なことを押し付けていたなと、反省の毎日です。
鼓笛隊は楽器をあつかうことと行進と二つのことを一緒にしなければいけません。楽器をあつかうというだけでも5歳の子どもにとっては非常に難しいことなんです。無理をさせているんです。それを子どもたちに強いている保育者はほとんど解っているんだと思います。ある幼稚園の園長が「鼓笛隊をすることで忍耐を教える」といったというのを聞いたことがありますが、そういう人もたしかにいます。無茶な話だと思います。音楽は楽しむものです。生涯楽しむものです。それを忍耐から音楽経験の出発をしてはいけません。

子供たちは毎日を楽しく過ごす権利をもっていると思います。「今日も又、運動会の練習をするんだろうな」と思いながら、幼稚園に来させてはいけません。幼稚園は「今日は何があるんだろう」「何して遊ぼう」新しい体験を期待する“わくわく”さこそが幼稚園の大切な意味だと思います。

子どもたちは無意識のうちに大人の期待にこたえようとします。そしてそれは相手の大人が好きであればあるほどそうです。だから、お父さん、お母さん、保育者は子どもに過大な期待をしてはいけません。それは子どもたちには大きなプレッシャーになるのです。彼らはそのプレッシャーを感じながらも努力をします。だから、“がんばれ・がんばれ”で毎日の生活をしてほしくありません。“がんばれ・がんばれ”は子どもたちののびのびさとは逆の方向です。のびのびさは、子どもたちがそれぞれ、“自分の方向”にのびていくことです。それは頑張ってできるということではないのです。

こういった運動会は、人格を形成していく上で大切な時期3歳からあと、小・中学校へ、なんと10年以上も続いていくのです。
りゅうすい・たつや 1947年南宇和郡西海町生まれ。
71年若草幼稚園(松山市)園長

あるがままに

9/1/2000

 

    流水 龍也

    若草幼稚園 理事長
    (前園長)

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